投資を決める前に「外国債券」

外国債券投資のここ10数年ほどの流れや考え方につきまして簡単にご説明します。

新興国債券が注目された時期

今では様々な証券会社が取り扱っている新興国債券ですが、2000年代前半から各証券会社での取り扱いが増えました。2000年代に入って預貯金金利が大きく下がり、従来通りに銀行や郵便局に預けておいても殆ど金利が付かないほど市場金利が下がっていたことや、1990年代末頃から人気となっていた主要な外貨投資先であった米ドル預金などでも金利が大きく下がってしまったことなどにより、証券各社とも目新しい、そして好利回りの金融商品を探していた時期でもあります。
1997年のタイバーツの下落に端を発した新興国通貨の下落や、国内大手金融機関が破たんしたことなどの混乱も徐々に収束し始めた時期ですが、そんな中で年率10%を超える利回りとなっていた南ア・ランド建ての債券がまず人気化し、その後、トルコ・リラ、メキシコ・ペソ、ブラジル・レアルなどへと広がりを見せました。丁度アメリカでサブプライム融資が拡大(資金が過剰供給され)した頃で、BRICSの名前も生まれるなど新興国が注目され始めた頃です。特に2007年前後は投資資金が新興国に大きく流れ込んだ時期でした。

リーマンショック以降の流れ

2008年前半まではこれら新興諸国の債券も為替も随分と買い上げられましたが、リーマンショックの発生により短期間で急落しました。その後の数年間は戻り歩調にありましたが、原油安や政治の不安定性から中々回復せず、2012年頃からはリスク回避の流れが強まり、特に2015年から2016年にかけては債券、通貨とも大幅に売られる国が出てきました。
新興国債券も為替も概ね2016年11月のトランプ氏当選の前後でボトムを打ち、その後回復しつつありますが、最近再び米ドルへの回帰や新興国の将来性への不安が強まったことなどもあり、債券単価も為替も回復途上の状態から抜け出せていないようです。
※(注)まだ下がる可能性がありますことにご注意ください。

外国債券投資とは

さて、これらの新興国通貨建て商品は好利回りとは聞くものの、色々な通貨による債券と言うだけではなく、期間や金利(利息)、利回り、または投資スタイルの違う債券や投資信託形式などにより多数の金融商品が販売されていますので、慣れない方には判り辛く選別が大変であると思われます。

外国債券投資とは、最もオーソドックスな投資商品である債券に投資する訳ですが、その債券が外国(日本以外)の政府または企業、特定の団体(これらを纏めて「発行体」と言います)が発行した債券であるという事です。
つまり日本国内で発行された(国内)債券との明確な違いは、通常は為替の影響を受けるという事です。その対象通貨に対して円が強く(円高に)なっていれば換金する際に目減りしますし、円安になっていれば利益を得ることになります。
※中には海外の発行体が円建てで発行する債券もありますが、この場合には為替リスクは無く、発行体リスクだけを考慮することになります。

外国債券投資を検討する際に大事な点は、その発行体のリスク(=安全性)をどの程度と評価するのか、そして為替の推移(為替の将来性)をどのように捉えるかの2点が大きな要素となります。
例えばブラジル国債なら、ブラジル連邦共和国は将来も成長するのか、ブラジル政府の将来は安定したものになるのか、それらを踏まえて対日本円では為替はどのように推移すると考えられるのか、などを検討せねばなりません。

これらに加えて実際の取引では、その他の国の経済情勢や政治情勢の変化によっても債券の価値が大きく毀損したり、取引が停止されたり、それほどでは無くても一時的に取引が出来なくなったりするリスクもあります。受け取れる金利や利回りが高い(リターンが大きい)という事は、それだけ安全性は低く、且つ変動が大きくなる可能性がある投資をするという事の裏返しです。

つまり、好利回り債券に投資するという事は、それら債券の高い変動リスクを受け入れる代わりに高いリターン(利回り、手取り)を期待する投資であると言い替えられます。

外国の債券に投資する商品は多数販売されています

例えば、ブラジル・レアルに関連する債券投資では、様々な証券会社から「ブラジル国債○○年償還」や「ブラジル・レアル建て債券」と言ったブラジルの通貨レアルの名前が付いた“ブラジル・レアル建て”の金融商品が多数販売されています。

メキシコ・ペソに関連する債券であれば、①「メキシコ・ペソ建て○年債」とか「メキシコ・ペソ建て利付債券」と言う名称の仕組債、また②国や世界銀行等が発行したメキシコ債券や、③メキシコ・ペソ建てで流通している債券を組み入れた投資信託など、主に3種類の金融商品に分けられます。

一般的な投資・運用商品の見分け方としては通貨毎に、上述しました「ブラジル・レアル建て債券」「メキシコ・ペソ建て債券」と言う名称の仕組債なら、特定の条件(期間など)を決めて発行された債券に、それら通貨毎の金利や為替の条件をアレンジして組成された債券とご理解いただければ良いかと思います。

「ブラジル・レアル建て国債」「メキシコ・ペソ建て国債」と言う名称なら、それら各国での新規発行や既に市場に流通している国債を指します。
それに加えて、これらの債券を複数組み入れ運用されている投資信託も様々な名称で販売されています。

証券会社や銀行で取り扱われている、債券を投資対象とした外貨建て金融商品は主に上記3種類の商品に分けることが出来ますが、それぞれの特徴を十分に理解した上で投資をご検討ください。

また、米国ドルやユーロなどは日々のニュースなどでも頻繁に触れるためご理解いただき易いと思われますが、新興国通貨であるメキシコ・ペソやブラジル・レアル、ロシア・ルーブル、トルコ・リラ、インドネシア・ルピア、南アフリカ・ランドへの投資・・・などと一概に言われてもピンとこない方も多いのではないでしょうか。

同じ通貨でも様々な投資商品があります。当社HP内にて「ちょこっとコラム」や「ブラジル国債ページ」のコンテンツなどにも、それらの商品特性や投資に際しての注意点などを記述していますので、ご検討の一助としていただければと存じます。

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